今年も残すところあと2日となりました。
仕事を納め、来年に向けて色々と物思いに耽る方も多いのではないでしょうか?
そこで、本日は「2011年グッときたサービス・ビジネスBEST10」で1位にリストアップされたGreplinについて少し考察を深めたいと思います。
Greplinには新サービス検討のヒントが詰まっていると思いますので、皆様の年末年始の「物思い」の参考になれば幸いです。
Greplinが「凄いサービス」である理由
<問題特定>
まず言えるのは、このサービスが「複数のクラウドサービスを横串で検索する」というたった一つの機能に絞りこまれている点です。
このサービスがどんな問題を解決してくれるのか?というのが明確になっており、ユーザーに対する訴求力が非常に高い印象があります。
操作説明書や解説記事を読まなくとも、少し触っただけでこのアプリが解決してくれる問題が何なのかが明確に分かります。
そして、彼らの技術的な強みがこの問題にしっかりとリンクしています。
サービスや事業を検討する際には「問題」にフォーカスせよという類のガイドを最近多く目にしますが、このサービスは「問題」を絞り込むことが出来た良いサービスの好例ではないでしょうか。
<タイミング>
サービスをリリースするタイミングも絶妙です。
様々なクラウド型サービスが登場し、世の中に普及し始めたのはここ1、2年のこと。
一昔前であれば、ユーザーの悩みはGoogle desktopによって解決され、このサービスは不要だったかも知れません。
ちょっとした時間差で「時期尚早」あるいは「too late」となってしまったサービスは数知れませんが、このリリース・タイミングは「まさに、今」と感じました。
<発展性>
Greplinはユーザーが自ら登録したクラウドサービス内の全てデータに対し、インデクシングというデータの索引作りを行い、検索時のスピードを圧倒的に短縮しているそうです。
ちなみに、インデクシングされるドキュメントの量は今年4月の時点で15億に達していて、一日に3,000万のペースで増えているとのこと。
言い換えれば、彼らはユーザーが利用するクラウドサービスのデータの全てを物凄い勢いで把握し始めているということにもなるかと思います。
彼らのデータにアクセスすることで新しいサービスを生み出そうとするサードパーティが登場する可能性は高いでしょう。
新しいプラットフォーマーになり得る存在だと思います。
<ビジネスモデル>
上記の資料では触れていませんが、ビジネスモデルも合理的です。
フリーミアムモデル(一部の機能のみを使っている間は無料)でユーザーの利用を促しながら、ユーザーがより深く使いこなしたいと思った段階で有料になるので、ユーザー側に納得感があります。
課金のモデルは月額課金でいわゆるストック型のモデルです。
使えば使うほど経験価値は高まり、ユーザーはこのサービスから離れられなくなるはずですから、収益モデルとしても安定します。
事業としても成功を収めそうな、秀逸な課金モデルの設計です。
・・・と褒めちぎりながら、Greplinは2つの戦略的な課題を抱えていると考えており、個人的には1位にはしなかったのですが、長くなるのでその話はまた別の機会に。(ちなみに、個人的な1位は"Taskrabbit")
新しいサービスをどのようなステップで考えるべきか?
1. 「問題」を具体的に絞り込む
問題を分解し、掘り下げ、根本課題をできる限り絞り込むことが出発点として重要です。
「小さいビジネスになってしまうのでは?」という声も聞こえてきそうですが、ソリューションを考える場合には問題は可能な限り絞りこまれているに越したことはありません。
そのための方法論として、私が普段良く用いるアプローチを本日は2つご紹介。
プロセスを分解し、最高の体験と現状とを比較することで、何に絞り込むべきかが見えてくるケースがあります。
・「漏れ分析」をしてみる
定量データがある程度入手可能な場合には「漏れ分析」というコンサルタントの常套手段も有用です。
上記の例で言えば、「彼に彼女が出来ない理由」を考えれば、「合コンの開催」はベストな解決策でないことが分かります。
・「問題」に敏感でいる
着想は「あれ、どこにいったっけ?横串で検索できると良いのになぁ」という感じだったというエピソードもあることからも、常日頃から「問題」に敏感になっておくという姿勢も重要と思います。
問題を絞り込み、機能を潔く削ることは開発スピードを高め、コストを抑えることにも繋がりますので、経済合理性も高まります。
「この機能もあった方が・・・」という声を簡単に受け入れず、議論を尽くし、機能を可能な限り絞り込む潔さが最初のステップでは求められます。
非常に勇気がいることですが。
2. 「今」やるべきなのか?を考える
適切なタイミングを掴むというのは非常に難しいことです。
「運」で説明されることも少なくありません。
確かに、こうすればタイミングを掴めるという絶対的な方法論は存在しないかも知れません。
ですが、狙っている市場が何によって牽引されるかを整理しておくことは、その精度を高めることに少なからず貢献すると考えています。
市場を深く理解することになるというのはもちろん、あまりにも外部環境が整っていないと判断出来、「時期尚早」リスクを低減することに繋がるかも知れません。
特に新規性の高いサービスを検討されているかたは、狙った市場が立ち上がる最大の要因は何か?を整理しておくことをお勧めします。
3. 「重要なデータ」を意識する
最後に、検討しているサービスがユーザーに広まる過程で重要なデータを蓄積することになるかを考えてみることです。
・他の企業にはない、自社だけの貴重なデータを握れているか?
・将来的に外部の企業がそのデータを活用する世界が想像できるか?
等、「どんなデータベースか?」と長期的な可能性を考えておくことも非常に重要な視点です。
大きく考えてみることで、大事な改良ポイントに気づくこともあるからです。
それに、せっかく作るのですから、プラットフォーマーになり得るような大きな可能性があった方が良いじゃないですか。
最後に
2011年は日本にとって大変な年となりましたが、個人的にはバイタリティ溢れる魅力的な方々との出会いの多い素晴らしい一年でした。
同時に反省点も多かったので、年末年始でしっかりと反省し、来年は今年以上にガンガン発信していけるよう頑張っていきたいと思っています。
来年もまた素敵な方々とワクワクするような企画に出会えることに期待しつつ。















