EC事業の戦略を検討する際、モバイルの対応は個別に検討すべき重要なテーマです。

モバイルコマース市場は、規模こそインターネット通販やカタログ通販のそれには及ばないものの、顕著に高い成長率を維持し、その存在感を高めつつあります。

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今後、モバイルコマース市場はスマートフォンの普及によってさらに高いペースで拡大する可能性があり、スマートフォンの対応を急ぐ企業も増えてきました。

では、スマートフォン時代にはモバイルコマースをどのように考えれば良いのでしょうか?これまでと異なる点はどのようなところにあるのでしょうか?

今回はスマートフォンの登場によって、EC市場や人々の行動がどのように変化し、今後のスマートフォン・コマースにどのような要素が求められてくるのかを考えてみたいと思います。


スマートフォンの普及によるモバイルコマース市場の拡大

スマートフォンの普及によって、モバイルコマース市場はさらに大きく拡大すると筆者は考えています。その背景には2つの要因があります。

<モバイルコマースの裾野の広がり>
まずは、スマートフォンの浸透によってこれまで携帯端末ではECサイトを利用してこなかったユーザーにまでモバイルコマースの利用が拡がるという可能性です。

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今年前半に実施されたノボット社、及び日本通信販売協会の調査によると、スマートフォンユーザーと携帯端末ユーザー全般とではEC購入経験に3〜4倍の差が見られました。

これはスマートフォンの普及が進めば進むほど、ユーザー層がこれまでと大きく変化するとも解釈できます。


また、そのペースはMM総研の予測によると、2014年度末にはスマートフォン契約数が過半数を超えるとされていますが、ここ最近のキャリア各社の発言からはその予測がさらに前倒しで進行する雰囲気を感じます。

既にスマートフォン・コマースに注力されている企業の方はユーザーの中心がどのように変化しているかに常に注意を払う必要があるでしょう。


<顧客単価の向上>
また、ユーザーあたりの購入単価もこれまでの水準を上回るということが二つ目の要因です。

スマートフォンによって実現される情報量の幅や操作性の向上が訪問あたりの単価が高まると考えられるためです。

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逆に言えば、スマートフォンサイトを展開する際にはこれらの指標を着実に高めるよう設計することが求められることにもなるでしょう。
運用時にはこれらの指標を監視し、細かい改善を積み重ねていく必要があります。


企業の取り組みの実態

<ヤフーの取り組み>
スマホ通販の売上高が今年7月に前年同月比で6.6倍にまでなったというヤフーでは、50〜60代のシニア層の売上が大きく伸び、高単価な商品が売れ筋となったりといった変化が起こったようです。

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スマートフォン対応には「ケータイ」とは異なる考え方でそれ専用に取り組まなくてはならないということが、先行企業の実例からも読み取れます。


<一般的企業のスマートフォン対応>

しかしながら、モバイルサイトの運営業者に対するアンケート結果によると、スマートフォン専用のサイトを開設し、対策を講じている企業は全体の僅か16%に過ぎないということが分かっています。

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企業のスマートフォン対応の現状は、意識はしているものの、まだ十分ではないといったところでしょうか。

では、どのように対応を進めれば良いのでしょうか?


スマートフォン・コマースに求められる要件

<ユーザー行動の変化>
スマートフォン対応に求められる要件を考える上で、筆者が特に重要だと考えているユーザー行動の変化はモバイル検索とソーシャルメディアの利用が進むという点です。

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<購入パターン>
モバイル検索の普及によって、サイトを訪問する前から購入する商品を決めているユーザー、いわゆる指名買いのユーザーが増えると考えられます。

そのようなユーザーが大半の場合、いかに速く目的の商品に辿りつけるかが重要となります。

逆に取り扱う商材やコアユーザーの特性がそうでない場合は、「衝動買い」を誘導する演出が問われることになります。


<情報共有の意義>
また、ソーシャルメディアの利用が進むということで、とにかくソーシャルメディアとの連携を強化するという施策も必ずしも正解とは言えません。

友人との情報共有が購入プロセスのどのタイミングで重要となるのかによって、

 ・購入時:商品演出にソーシャルグラフのデータを活用する

 ・購入後:口コミ拡散に繋げるための導線を敷く

等と力点が変わってきます。

さらには、「友人や知人と共有したくない」という類の商材やユーザーの価値観も存在します。

そのような商材やユーザーを相手にする場合、いかにスマートフォンとソーシャルメディアの相性が良いとは言え、ソーシャルメディアとの連携を積極的に促す等の設計は避けるべきです。


<4つのタイプとサイト要件>
ここまでに挙げた要素を踏まえると、サイト要件は、ユーザーの購入パターンや情報共有の意義によって、大きく4つの方向性があると考えています。


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また、米国では「モバイルコマース」に留まらず、顧客の店頭での購入を促すためにスマートフォンが上手く活用される、いわゆるO2O(オンライン・ツー・オフライン)の成功事例も出始めています。

今後はサイトだけでなく、小売店頭といった顧客接点までを含めて、顧客との関係構築の全体設計やスマートフォンの役割を考える必要もあります。


最後に

スマートフォンが急速に普及する環境下で、ユーザーの購買行動や価値観は変化しています。


利用者層の変化に注意しながらターゲットユーザーを再定義し、購入パターンや価値観といった観点でのユーザー理解を今改めて深めることがスマートフォン・コマースを成功に導く上で重要ではないでしょうか?


レポートのフルバージョンを以下に添付しますので、お時間のある時に一読下さい。

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