日本国内におけるBtoCのEC市場はここ数年二桁成長を続け、2010年には7.8兆円にまで達しています。(2005年は3.5兆円)
そのような背景もあり、ここ最近ECビジネスのご相談をいただく機会が多くなりました。
読者の皆様の中にもこの成長市場の中での新規事業を、と検討されている方がいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は日本のEC市場の現状を確認した上で、成功のためにはどのような要素が必要なのかを整理してみたいと思います。

新規参入を阻むハードル

<市場集中度>
新規参入する際には特に、EC市場が高い成長率を維持する一方で、非常に寡占が進行した市場ということを認まずは識する必要があります。

事業者数ベースでわずか1%の事業者で市場の約75%がカバーされています。これは他の業界と比較しても、かなり高い水準です。

後発で新規参入際には特に、一定の成功を収めるのは極めて難しいという覚悟で取り組むべきでしょう。

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<成功率の低下>
また、EC事業者の設立年度別にその企業数と売上規模の推移を追ってみてみると、企業数が年々増加している一方で、市場規模は年々縮小しています。

つまり、EC事業の参入のタイミングが後発になるほど、1社当たりの売上高が小さくなっているのです。

売上の成長には一定期間を要するという側面も影響しているかと思いますが、新規参入業者にとっての難易度が高まっているという見方も出来ると考えています。

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<密集する小売店舗>
さらに、日本は欧米に比べて小売店舗が密集しているという特徴があります。その水準は対人口比で米国や英国の倍です。

日本の消費者は身近で安く商品を手にすることができるため、「利便性」や「安さ」だけではECサイトの利用動機になりにくいという傾向があります。

また、欧米諸国の成功事例を参考にする際にはこの点に注意して検討することが重要です。


目指すべき方向性

そのような背景を踏まえますと、最初から数百億規模のビジネスを狙うのはあまり得策ではありません。

特定のテーマに絞り込んだ形で付加価値訴求型のサイトを志向し、まずは5〜10億規模のニッチポジションを確立することが重要と考えています。

強いニッチポジションを築き、そこを起点に中期的に拡張していくべきです。

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成功のための4つのヒント

では、どのようにすればニッチポジションを築けるのでしょうか?
以下に掲げる4つの要素がこれからの時代のECビジネスには非常に重要と考えています。

1. 成長需要を見極める
ニッチとは言え、成長市場を狙うべきです。縮小市場におけるニッチプレイヤーはリーダー企業によって淘汰されます。

また、成長市場にフォーカスすることはビジネスの成功確率を高め、過度な価格競争に巻き込まれるリスクを回避することにも繋がります。

少子高齢化、人口減少で市場縮小が叫ばれる日本においても、人口動態の変化やライフスタイル、価値観の変遷によって拡大する需要が存在します。

さらには、魅力的な新しいライフスタイルを消費者に提案することで需要を開拓するということに挑戦する企業も登場してきています。


2. スマートフォンでEC化率を高める
二つ目はEC化率に着目する考え方です。

需要が大きく伸びなくても、ECで購入される比率が高まれば、チャンスは広がります。特に、スマートフォンがそこで大きな役割を果たすと見ています。

高機能化が進むスマートフォンの特徴を活かした商品紹介の演出やモバイルシーンならではの提案にはまだまだ開拓の余地があります。

これまでのPCや携帯では実現出来なかった「スマートフォンならでは」の提案を行なっていくことが今後益々重要になってくるでしょう。


3. 商品/サイトのストーリーを語る
スペックと価格だけが訴求点であれば、ユーザーは検索によって容易にサイトを比較できるようになりました。

スペックを買うだけであれば、ユーザーにとっては「何を買うか」が全てであり、「どこで買うか」は全く意味をなさなくなっています。

ユーザーはスペックではなく、ストーリーを買うようになっているのです。

どのような商品を取り揃えるか?商品の背景情報をどのように伝えるか?を真剣に考え抜く必要があります。それこそが、サイトの個性そのものとなります。


4. 新しい顧客流入経路を押える
良い商品を調達し、商品の魅力を伝える施策を充実させても、ユーザーの目に触れなければ、サイトは存在していないも同然です。

マス媒体やウェブ広告・SEOへの投資は従来と変わらず顧客流入に一定の影響力を持っています。

しかし、ソーシャルメディアの台頭には目を見張るものがあります。

これからの時代、ソーシャルメディアやソーシャルグラフを活用した新たな顧客流入導線を確立、強化していくことは必須要件となりました。

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最後に

「成功のために」と書いたものの、これまでに書いた内容は基本的な要件に過ぎません。

本当に成功するためには、上記に掲げたポイント等を踏まえて考え抜いた事業コンセプトが自社の強みや資産(リソース、ノウハウ・経験、ブランド力、顧客基盤、・・・等々)と紐づいていることが何よりも重要です。

以下に他のデータや事例等を含めたスライドを共有しますので、皆様の「自社ならでは」の事業検討に少しでもお役に立てると幸いです。

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